シャンプーしているときひとりで目をつむると、誰かが背中を撫でる気がするけど、それが泡だと言い切れない

寝室に引き戸タイプのクローゼットがある。布団や大型の荷物を入れておくのにおあつらえ向きな、ちょうどいいサイズ感のクローゼットだ。 そこには何も入っていない。空っぽだ。 今日息子たちにせがまれて、かくれんぼをした際、ついにクローゼットの存在を…

育児日記だと思う

保育の世界では「おしっことうんちは子どもが自分自身でできる、初めての親へのプレゼントである」と言われているらしい。トイレトレーニングにおける何度もの失敗と、待望の初回の成功で涙腺を緩ましてきた親御さんたちには、きっとこれが決して大袈裟でな…

『ゲド戦記』を観終わったあと「面白かったね」と言って映画館を出た僕の全部関係ないことについて

エドワードゴーリーの『敬虔な幼子』という絵本、知っている人は知っていると思う。神の教えを純粋に信じ、正しく清廉で在ろうとする幼子に対してあっても、運命は圧倒的な冷たさと重量を持って唐突かつ無慈悲に振り下ろされる、というお話。それは初めから…

終わってしまった漫画をおもうことについて

週刊ヤングジャンプで連載していた『東京喰種:re』の単行本完結巻が出た。今回の記事に、それがどんな漫画かという点はあまり関係がない。終わってしまった漫画についてではなく、終わってしまった漫画をおもうことについて。僕には好きになった漫画に対して…

言わなくてもいいことの主人公について

言わなくてもいいことが、段々ふえてきて、簡単に口を開くべきではない、ということに替わってきている。がんじがらめというには遠く、緩やかな縛りではあるが、油断するとついほころんでうっかりこぼしてしまい、それはかとなく「言わなくてもいいことの主…